■桜井源兵衛■

池田輝政による姫路城築城の時、完成した天守から一人の男が身を投げて自殺したと云われている。その男の名は桜井源兵衛。城普請にあたった大工の棟梁である。
9年間、寝る間も惜しんで仕事に打ち込み、やっと完成した姫路城。しかし、彼には、丹精込めて造り上げた天守閣が巽(東南)の方向に少し傾いているように思えてならなかった。
築城之図
そこで妻を伴って天守に登ると、「お城は立派ですが、惜しいことに少し傾いていますね」と指摘されてしまう。「女の目に分かるほどとすれば、自分が計った寸法が狂っていたに違いない」と愕然とした源兵衛は、まもなくノミをくわえて飛び下りたと云われる。 実際に城が東南に傾いていたのは解体修理で確かめられており、本当の理由は東と西の石垣が沈んだ為であった。
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